イ。聞こえが悪い(難聴)
ロ。耳が痛い
ハ。耳だれ
ニ。耳が塞がった感じがとれない(耳閉感)
ホ。耳鳴りがする
耳の症状は多彩で、上にあげたものは、その代表的なものです。
イ。.聞こえの程度は聴力検査で良くわかります。難聴には治療でよくなるものと、そうでないものがありますのでご相談ください。
ロ、ハ。急性中耳炎は小児に多く、耳が痛くなります。子供さんのいるお宅では、痛み止めを常備してまず使用して痛みをやわらげるのが第一で、耳鼻科受診は次の日でも大丈夫です。
慢性中耳炎は鼓膜や、その奥の骨の部分に炎症があって、聞こえが悪くなったり、耳だれが出たりするものです。聴力の検査や、レントゲン撮影が必要です。
ニ。耳の塞がった感じは、耳と咽頭をつなぐ、耳管という通路の通りが悪くなると起きることがあります。そのほか、鼓膜の裏側に液体の貯留する浸出性中耳炎のこともあります。
めまい
めまいの原因にもいろいろありますが、その大部分は耳に関係するものです。まづ必要なのは、平衡機能検査、レントゲン検査などでよく検査し、原因にあった治療を行うことです。
鼻の症状にもいろいろありますが、まず鼻がつまる、鼻水がでる、くしゃみがでる、などが一般的な症状です。かぜ以外にも、慢性鼻炎、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎が原因となります。 とくにアレルギー性鼻炎は症状がかぜに似ていますが、違う疾患なのでご注意ください。
鼻血は子供の場合はあまり心配ありません。成人で止まりにくい出血は処置、検査が必要です。
片方の鼻に悪臭があり、血の混じる鼻汁がある、などの症状はがんを疑わねばなりません。
舌のしこり、いたみ
舌の痛み、しみる感じが強いときは、感冒などに伴う口内炎の可能性があります。また、舌の縁に何かしこりがあったり、しみる感じがあるときは、早めに耳鼻咽喉科を受診することをすすめます。義歯があってなることもありますが、舌がんもそのような症状で発見されることが少なくありません。その他、舌の一部分に白い膜がはってとれないような場合も検査が必要です。
舌全体がヒリヒリする、あるいは舌全体が赤みを帯びてみえる場合、血液の検査を行うことがあります。
のどのいたみや異物感
のどは空気の通路(気道)でもあり、また食物の通路でもあります。 皆さんよくご存じのように、風邪のときは、気道の粘膜の炎症が起きるので、のどがいたくなります。また、のどの入り口の両側にある扁桃腺もしばしば炎症をおこして、高い熱の原因となったり、飲み込むとき強い痛みを生じたりします。あまり頻回に高熱を発するような扁桃腺は手術の対象となります。
食事のときは何ともなくて、それ以外の時に、のどになにかある感じ、つまった感じ、がする方が最近多く受診されます。その大部分のかたには異常がありませんが、稀に悪性の病気の始まりのこともありますから、このような場合は、一度のどの奥、すなはち食道の入り口や喉頭を検査しておけば安心です。
いびき
小児の場合のいびきはアデノイドで鼻がつまって起きることが大半です。成人でいびきがひどく、寝ているとき呼吸が止まる、などといわれた方はいませんか? 睡眠中に呼吸が止まる状態は睡眠時無呼吸症候群といわれるもので、健康上望ましくありません。
口の中の手術をするとこれらの症状を改善させることができますので、一度耳鼻科でご相談ください。
声のかすれ
声の異常は、いろいろな場合に起こりますが、声帯を細いファイバースコープで観察すると容易に診断されます。
原因として、タバコの吸いすぎによる声帯の炎症や腫れ、声の使いすぎによるポリープなどがおおいですが、時に声帯がんのこともあるので、ヘビースモーカーの方で、声かすれが長くつづく場合は一度検査して下さい。
顔の腫れ
顔の片方が急に腫れるのは、歯に炎症があったり、急性の蓄膿症(急性副鼻腔炎)などのとき見られます。その他、流行性耳下腺炎のときも耳の下から頬にかけて腫れて痛くなるのは、よくご存じのところとおもいます。 これらはすべて急性の炎症で、適正な治療が必要です。
痛みを伴わない腫れは、上顎や耳下腺の腫瘍のことがあるので、すぐ耳鼻科での精密検査をうけてください。
頸部のしこり
頚にはリンパ節、甲状腺、顎下腺等があり、しこりの原因となります。専門医はまず手でさわっておおよその診断をつけ、必要があれば、レントゲン撮影を行ったり、CT,MRIや超音波断層などでより詳しい検査をします。
リンパ節の腫れには、腫瘍と関係するものがあるので、とくに腫瘍の診断されている方は注意が必要です。