2010.10.30 京都 第48回日本癌治療学会 パネルディスカッション 
原林 透、三浪圭太、池城 卓、永森 聡 安部崇重、佐澤 陽、篠原信雄、野々村克也 当施設
精巣・傍精巣腫瘍の後腹膜残存病変に対する腹腔鏡下神経温存 後腹膜リンパ節郭清術

精巣・傍精巣腫瘍の化学療法後腹膜残存病変に対する後腹膜リンパ節郭清は、重要な治療ステップであるが、比較的侵襲の大きい手術であり、合併症として逆行性射精がある。これに対してmodified templateによる腹腔鏡下神経温存手術を施行した。【対象と方法】2003〜2009年に2施設にて腹腔鏡下神経温存後腹膜リンパ節郭清術を精巣・傍精巣腫瘍12例(年令中央値26.5才;17-45才)に施行した。同時期の化学療法後郭清術症例の36%に相当する。患側は右7例、左5例。原発巣病理は非セミノーマ11例、横紋筋肉腫1例。術前のリンパ節径は中央値20mm(5-80)であった。側臥位4ポート経腹膜的アプローチにて後腹膜を展開し、右では両側の交感神経を可及的に温存して大動脈正中より右側を郭清、左では右交感神経を温存し大動静脈間より左側を郭清した。バイポーラを主体にリンパ管を処理し上下縁のリンパ管はヘモロックにて遮断切断した。観察期間は中央値26月であった。
【結果】1例をのぞく11例(92%)で順行性射精が温存された。手術時間は217分、出血量は126mlで、合併症は腰静脈出血1例、乳糜腹水2例であり、腸管合併症を認めなかった。後腹膜再発を認めていない。
【結語】腹腔鏡下神経温存後腹膜リンパ節郭清術は、術後回復が速やかで治療成績を落とすことなく、射精機能の温存が可能な有用な術式である。大血管を取り巻く例、セミノーマ主体例では困難であるが、その術式を供覧する。