2011.10.28 名古屋 第49回日本癌治療学会 ポスター
三浪圭太,大石悠一郎,安住誠,原林透,永森聡 当施設
腫瘍量の大きいbulky膀胱癌の治療についての検討

【目的】膀胱のほぼ全域が腫瘍に占拠されるbulky膀胱癌症例は血尿,水腎症による腎不全を併発し,尿路変向の時期と術式選択 ,
TUR-Bt完全切除の可否の判断,化学療法のタイミングの判断に難渋する.当科でのbulky膀胱癌症例治療経過を後方視的に検討した.【対象と方法】2000年以降治療したbulky膀胱癌症例12例(男性6例女性6例).【結果】診断時9例(75%)に血尿・10例(83%)に水腎症(片側3例,両側7例)を認め,7例(58%)で転移を認めた.血尿か腎不全のために10例で治療前(7例)・治療中(3例)の尿路変向を要した.内訳は8例が緊急手術で2例が待機手術,腎瘻4例,尿管皮膚瘻5例, 回腸導管1例であった.全例TUR施行,水腎症を認めない1例のみ完全切除,切除中2例で止血困難となり尿管皮膚瘻となった.転移ない5例中1例はTURのみでコントロール,4例で腎瘻造設後膀胱全摘を施行(2例回腸導管,1例尿管皮膚瘻へ変向,1例は摘除不能で両側腎瘻)し全例局所症状無く経過.転移症例7例全例で尿路変向(両側尿管皮膚瘻5例,回腸導管1例,両側腎瘻1例)後に化学療法・放射線治療を施行し1例を除き局所症状はコントロールされた.その1例は片側水腎萎縮腎で健側の尿管皮膚瘻造設後化学療法施行したが治療中血尿にて対側の尿管皮膚瘻・塞栓術を要し後に膀胱全摘を施行した【結語】転移のない症例は一時的な腎瘻による尿路管理後早期に膀胱全摘を考慮し,転移症例では尿路変向を待機したTUR-Btが必要と考えられた