第100回日本泌尿器科学会総会 ポスター

三浪圭太、大石悠一郎、安住誠、原林透、永森聡 当施設

腹腔鏡下前立腺全摘における術後失禁予測因子に関する検討

【背景】前立腺全摘後の失禁に対する因子は様々なものが報告されている。この度術前の尿道長と術後膀胱尿道造影所見から失禁の程度の予測が可能か検討した【対象と方法】2009年6月から2011年6月まで施行した腹腔鏡下前立腺全摘術症例のうち術前にMRI,術後に排尿時膀胱尿道造影(以下VCUG)を施行した97例(神経温存症例37例)を対象とした.術後3ヶ月でprotection pad 1枚以下となった症例を早期失禁改善症例とした.年齢,前立腺重量,神経温存の有無,術前MRIでの尿道長,術後VCUG時の尿道括約筋部尿道径と失禁との関係を検討した【結果】早期失禁改善例では改善のない症例に比べ有意に尿道長が長く(17.9 vs 12.9 mm: p< 0.001)尿道径が細かった(3.1 vs 4.7 mm:p= 0.03).神経温存症例は有意差は認めなかったが早期に失禁改善する傾向を認めた(p= 0.0592).年齢,前立腺重量は関与を認めなかった【考察】術前尿道長が長い症例,術後VCUG時尿道径が細い症例で早期の失禁改善を認めた.