2012/10/25 横浜市 第50回日本癌治療学会 ポスター
原林 透、三浪圭太、大澤崇彦、安住 誠、永森 聡 当施設
去勢抵抗性前立腺癌におけるドセタキセル間欠療法の検討
"ドセタキセル療法は去勢抵抗性前立腺癌に対する標準的治療であるが、その至適投与期間、回数は定まっていない。本邦では病勢進行か副作用不耐性になるまで継続されることが多いが、長期投与に伴う感染性有害事象にはしばしば難渋する。病勢と副作用のバランスを保つ治療としてBeerらが提唱した間欠療法を施行した。 【方法】2006-2011年に当院でドセタキセル療法を行った去勢抵抗性前立腺癌43例中、PSA低下率>50%かつPSA<4ng/mLを満たした8例で治療を休止し間欠療法を導入した。対象例の導入時年令中央値64.5才(範囲55-77)、PSA 5.6ng/mL(3.97-34.84)、診断時GS 8(6-10)、内分泌前治療期間 39ヶ月(11-93)であった。ドセタキセル60mg/m2(D1)3週毎、プレドニン10mg連日を基本とし、有害事象に応じて50mg/m2・4週毎まで減量した。病勢進行時にはエストラムスチン560mg(D1-5)を追加した。効果判定は前立腺癌取扱規約第3版に従った。経過観察中、PSA>4時点でドセタキセル再導入を行った。 【結果】初回ドセタキセル療法の治療期間は13ヶ月(7-25)、投与コースは18(10-29)、休止時PSA 0.16(0.01-2.72)であった。8例の休止後観察期間は19月(12-37)で、3例が12ヶ月(3-19)でドセタキセル療法再導入となったが、5例は18ヶ月(12-37)の間PSA<4を維持していた。再導入した3例では、PSA増悪2例、不変1例であったが、現在9例全例が生存している。休薬期間には有害事象グレードの低下が見られた。 【結語】ドセタキセル間欠療法により一定期間病勢と有害事象のコントロールが得られた。症例を選べば有効な治療法である。 "