2012/11/24 仙台 第26回日本泌尿器内視鏡学会総会 シンポジウム "

原林 透、三浪圭太、安住 誠、大澤崇宏、永森 聡 " 当施設

腹腔鏡下膀胱全摘除術 ー女性、尿路変向

膀胱全摘除術は、浸潤性膀胱癌に対する治療のgold-standardであり、尿路変向法の選択が重要な要素である。膀胱全摘後に行われる尿路変向術は、回腸導管から新膀胱へとシフトしつつあるが、各人の併存症、生活様式、病状理解に応じて選択されるべきである。現時点では、腹腔鏡手術におけるいずれの尿路変向でも、腸管セグメントの処理は小切開から小腸を引き出し体外で行うのが妥当である。本邦では尿管皮膚瘻の施行頻度が高いが尿管狭窄を防ぐ工夫が欠かせない。腹腔鏡手術の導入により、手術時間は延長するが、出血量と術後合併症の有意な減少が示されている。いまだ確立したとはいえないが、ロボットを含む器具の改良と技術の進歩により、泌尿器科領域で最も複雑な手術も腹腔鏡手術が標準オプションの一つとなるものと思われる