がん講演会(過去の講演会の内容)

第25回 北海道がん講演会

北海道がんセンターの医師による講演
『男性のがん、女性のがん』
日 時: 平成18年6月18日(日) 午後1時30分〜午後4時
場 所: 京王プラザホテル札幌 2階エミネンスB(札幌市中央区北5条西7丁目)
※JR札幌駅南口、地下鉄南北線さっぽろ駅から徒歩5分
講演会の内容をムービーでご覧頂くことができます。
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<プログラム>
○ 開会あいさつ
13:30〜13:35
独立行政法人国立病院機構 北海道がんセンター
院 長 山下 幸紀
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再生する Windows版:WMV形式 3.74MB
再生する Macintosh版:MPEG4形式 6.93MB

司会/副院長 内藤 春彦

ムービーイメージ02
再生する Windows版:WMV形式 3.19MB
再生する Macintosh版:MPEG4形式 5.49MB

【講演内容】
(1) 『卵巣がんと戦うために』
13:35〜14:10
産婦人科医長 加藤 秀則

 わずか20年前までは卵巣がんは進行して見つかることが多く、卵巣がんと診断がついても多くの場合完全に摘出することもできず、効果のある抗がん剤もなく3ヶ月から半年程度で死亡することが多かった。

 現在ではCT、MRI、PET、超音波診断装置などの医療診断機器の発達で比較的早期に見つけることも可能で、また進行して発見されても効果の良い抗がん剤もいくつか開発されたおかげで、薬で縮小してから根治手術することも可能となりました。現在では3〜4期の進行した卵巣がんも、診断してから5年以上生存できるようになりました。しかし、根治手術ができるようになるまで何度も抗がん剤の点滴が必要であったり、再発を繰り返しそのたび異なった抗がん剤を使ったり、腸切除などを含む再手術を行ったり、転移リンパ節に放射線を照射したりなどの治療も必要であることも多く医療従事者と患者さんとが長い年月共に闘って行く決意も必要です。

ムービーイメージ03
再生する Windows版:WMV形式 44.8MB
再生する Macintosh版:MPEG4形式 102MB

(2) 『進化する乳がん診療 〜手術、薬物療法、再発への対応〜』
14:10〜14:45
乳腺外科医長 田村 元

 乳がんの診療の変化の早さについては、専門に担当している私でも驚くほどです。手術では5割の患者さんで乳房温存療法がなされ6割の方で腋窩のリンパ節切除がなくなっています。再発を減らすための抗がん剤治療やホルモン療法(女性ホルモンの働きを抑える)の重要性は増々強調され、以前よりも効果が期待できる薬剤やその投与方法が開発されてきています。再発後の治療は薬物療法が中心となりますが、まず副作用の軽いホルモン療法の可能性が追求され、その後に抗がん剤治療がなされます。抗がん剤とホルモン療法の併用は原則的にはなされません。再発後の抗がん剤治療についても副作用の比較的軽い経口抗がん剤の効果が注目され、使用の時期をホルモン療法と注射の抗がん剤の間にする事が検討されています。骨転移では骨の溶解により、疼痛、骨折などが生ずる可能性がありますが、これらに対する治療薬としてビスホスホネート製剤があります。従来2時間以上かけて点滴してきましたが、最近認可された治療薬は15分の点滴時間で終了できます。分子標的治療薬であるトラスツズマブは副作用も軽度で一部の乳がんに対して有効ですが、脳転移に効果がみられない事は課題です。

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再生する Windows版:WMV形式 42.0MB
再生する Macintosh版:MPEG4形式 100MB

−−− 質疑応答・休憩 (14:45〜15:05) −−−

(3) 『前立腺がんは男子の宿命か? 〜診断と治療の最前線〜』
15:05〜15:40
泌尿器科医長 柏木 明

 前立腺がんは、米国では男性にとって最も発生数の多いがんであるとともに死亡数でも肺がんについで第2位を占めることから社会的重要性のきわめて高いがんとして認知されています。ところが人種によりその発生率は異なり、日本ではこれまで患者さんの数は少ないとされ社会的対応も遅れていたのが現状でした。しかし近年ライフスタイルや食生活の欧米化にともない、日本でも前立腺がんと診断される患者さんの数は最近激増しつつあるのです。ことに高齢化社会の到来に伴い、排尿障害の問題とあいまって前立腺肥大症もふくめた前立腺の疾患はすべての男性にとって「現代人の宿命」として避けては通れない問題になって参りました。

 近年PSAという腫瘍マーカーの登場によって前立腺がんの早期診断が可能となったことから、前立腺内に限局していて転移がない、すなわち完治が可能な早期の段階で診断される患者さんが増加しています。最近は手術・放射線・薬剤など様々な有効な治療法の進歩をうけて、単にがんを治すことのみを目標とする医療から、いろいろな選択肢の中から体力的負担や副作用・後遺障害などを考慮しながら確実にがんを治す方法を患者さんごとに選択していただけるようになりました。

 本日はより優れた根治療法として進化する前立腺全摘手術と、より低侵襲をめざした新しい放射線療法であるI-125小線源療法について、各々の特徴を両者の比較をしながら解説したいと思います。

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再生する Windows版:WMV形式 45.4MB
再生する Macintosh版:MPEG4形式 95.8MB

−−− 質疑応答 (15:40〜15:55) −−−

○ 閉会あいさつ
15:55〜16:00
独立行政法人国立病院機構 北海道がんセンター
副院長 内藤 春彦
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再生する Windows版:WMV形式 3.36MB
再生する Macintosh版:MPEG4形式 6.65MB

○ ムービーの閲覧方法
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主催:独立行政法人国立病院機構 北海道がんセンター