看護師の成長・キャリアと教育の関係
令和3年度 看護部教育研修 年間計画
教育目的 | 患者さんの気持ちに寄り添い、適切な看護を提供できる看護師を育成する |
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教育目標 | 1. 最新の医療・看護に対応した安心で安全な看護を提供できる看護師の育成。 2. 高い倫理観に基づき、対象を尊重した心のこもった看護が提供できる看護師の育成。 3. 多職種と協働し、看護の役割を発揮できる看護師の育成。 4. 当院の役割・機能を発揮し、質の高いがん看護を提供できる看護師の育成。 5. 専門職業人としての自覚を持ち、自らのキャリアを描ける看護師の育成。 |
対象者 | 研修名 | 目 標(GIO) | 行 動 目 標(SBO) | 研修方法 | 備考 | |
レベル T | 看護実践に必要な基本的能力を修得する |
採用時研修 | NHOが担う医療を理解する 看護基準・手順に沿った看護を実践する マニュアルに基づいて行動する |
自施設が担う医療の理解 看護基準・手順の内容の理解と不確実な点の確認 マニュアルの理解に基づいた行動 |
講義演習 | 別紙参照 |
医療安全静脈注射研修 | 静脈注射を安全に実施できるために必要な知識と技術を習得する | レベル1:臨時応急の手当として看護師が実施することができる レベル2:医師の指示に基づき、看護師が実施することができる レベル3:医師の指示に基づき、一定以上の臨床経験を有し、定期的な教育を受け以上を判断できる看護師が実施することができる |
講義演習 | 別紙参照 | ||
看護技術 | 看護基準・手順に沿った看護技術が実践できる | ・喀痰吸引(口腔・気管)ができる ・清潔操作(ガウンテクニック・清潔の展開)ができる ・尿道留置カテーテルを挿入できる |
演習 | 大講堂 第5会議室 |
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看護倫理 | 多様な価値観・信条や生活背景をもつ人を尊重した行動がとれる | 患者の尊厳・権利を尊重する 看護職の倫理を理解する |
講義演習 | 大講堂 | ||
コミュニケーション | ともに学びあい、自律した看護師になる | 患者とのコミュニケーションを振り返り、学びを共有する 自己の健康管理、ストレスへの気づき |
GW | 大講堂 | ||
KYT | 危険予知・問題解決能力を高め、看護実践に生かすことができる | 患者を取り巻く環境に潜む危険を予知できる インシデント報告の意義・必要性が理解できる |
講義 演習 |
大講堂 | ||
多重課題 | 看護チームの一員として自分の役割を理解する患者・家族の思い・考え・希望を理解する | 担当する複数患者の看護ケアの優先度の決定 予定外事態が発生した場合のチームメンバー、リーダーへの報告、連絡、相談、確認 受け持ち患者・家族への配慮 |
GW | 大講堂 | ||
急変対応 | データベースを活用して、健康状態を速やかにアセスメントし、夜間の患者の状況変化対応を実践する | 基礎的な知識と観察に基づいたアセスメントから看護判断ができる 応援要請判断し、エスバーを用いた状況に応じた簡潔な報告ができる 救命救急処置技術(心臓マッサージ、呼吸援助、気道確準備)ができる |
演習 | 大講堂 第5会議室 |
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レベル U | 1根拠に基づいた看護を実践する |
メンバーシップ | 自己と他のメンバーの立場や役割を認識し、相互援助する | 看護チームの一員として、適切なコミュニケーションをはかる 必要な情報を同僚や多職種と共有しケアに生かす |
講義演習 | 大講堂 |
看護倫理 | 臨床における倫理的問題に気づき、自己の行動を振り返る事が出来る | 患者の倫理的問題に気づくことができる 倫理的問題を解決する方法を理解し、自己を振り返ることができる |
講義演習 | 第5会議室 | ||
看護研究(文献検索・研究計画書作成) | 自己の課題を見出し文献学習する。 | 看護研究計画書の立て方が理解できる 研究計画書の作成ができる 看護研究における倫理的配慮がわかる |
講義 | 大講堂 | ||
レベル V | 1個別性を重視した看護を実践する |
リーダーシップT(業務リーダー) | リーダーシップを理解する 自部署での自己の役割と課題を明確にする(レベルV評価該当研修) | リーダーシップとリーダー業務の違いがわかる メンバーの動きに配慮し、必要に応じて業務調整ができる役割遂行での自己の傾向と課題を明確にすることができる |
講義演習 | 大講堂 |
在宅移行支援・退院調整 | 当院の退院支援システムを活用し、退院支援が出来る | 地域の支援ネットワークを理解する。社会資源とその制度を知る 入院時から退院調整の必要を理解し、退院調整ができる。 積極的に他職種と関わり協力依頼が出来る。 |
講義 | 第1会議室 | ||
看護研究 (量的研究統計分析) | 自己の看護実践の意味づけを行う | 統計分析方法を理解する | 講義 | 大講堂 | ||
ケーススタディ | 経験を日々の看護実践にいかし、自己の看護観を高める | 患者の看護の振り返りを明文化し、発表を通して学びを共有する | 発表 | 大講堂 | ||
レベル W | 1後輩の学習を支援する |
リーダーシップ U | 看護問題の解決に向けて、チーム内でリーダーシップを発揮する | リーダーの役割を理解し主体的の行動する 看護単位の問題を理解し、問題解決に向けてリーダーシップがとれる |
講義 | 大講堂 |
社会資源とその制度 | 社会資源とその制度について学び、看護援助に活かす | がん患者に必要な社会資源を理解する 社会資源を活用した援助方法を学ぶ |
講義演習 | 第5会議室 | ||
レベルX前期 | 管理教育的役割モデル |
幹部看護師任用 | 専門性の発揮、管理・教育的役割モデルとなり、研究的に取り組む | 国立ハンセン療養所、NHO、NCの運営を理解する 医療制度を理解する 看護職の債務を理解する 看護部門の役割と機能を理解する |
講義 | 未定 |
レベルX後期 | 管理教育的役割モデル |
看護研究 | 課題について研究的に取り組む 研究的取り組みの成果をまとめる 状況や問題の本質に迫る情報収集 複雑な概念の適用 状況や問題の関係性の分析 |
講義 | 大講堂 | |
看護研究発表 | 発表 | 大講堂 | ||||
役割研修 | 1年目看護師 | がん看護研修 | がんセンターが担う医療を理解する | がんに関する知識を深める がん看護について考える |
講義 | 大講堂 |
2年目看護師 | がん看護研修 | がん看護に関する専門的知識を深め、がん看護に携わる看護師として質の高い看護実践能力を身につける | がん患者と家族の理解を深める がん放射線療法と看護を理解するがん薬物療法と看護を理解する がんの手術療法と看護について理解する がん性疼痛看護を理解する |
講義 | 大講堂 | |
レベルU 以上 |
プリセプターシップ研修 | プリセプターシップを理解する | 新人の教育背景を理解できる プリセプターとしての役割を理解できる |
講義 | 第5会議室 | |
レベルV 以上 |
エルダーシップ研修 | 後輩育成の役割を果たす | 看護職員の教育計画の理解、看護実践の役割モデルとなる 後輩の力を引き出すコーチングの実践 |
講義 | 第5会議室 | |
看護助手 | 看護助手研修 | NHOの概要を理解し組織の一員としての役割が遂行できる能力を修得する | 医療チームの中での看護チームの役割と連携を理解する | 講義 | 第5会議室 |
国立病院機構が目指す看護師像: A C T y ナース 理論と、技術をもって、実践し、看護を創造する
A | a r t | 技術・・・・・・・・・暖かい正確な技術をもち | |||||
C | c r e a t e | 創造する・・・・・・患者1人1人に会った適切な看護を創造していく (法則性を見出し)新しき(より適切な)技術を創造していく研究的意味 | |||||
caring | 倫理観に基づいた質の高い看護 | ||||||
coordinate | 看護のマネジメント | ||||||
coaching | 後輩と共に学び合い | ||||||
T | t h e o r y | 理論・原理・・・・・原理・原則、理論的な知識を基に、科学的根拠を持った実践 | |||||
teamwork | 多職種と協働 |
以上を踏まえ、アクティナースに沿った教育を企画・運営し、その結果を評価
静脈注射に関する研修プログラム
令和3年度 医療安全「静脈注射研修」 |
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北海道がんセンター看護部 | ||||
研修目標:静脈注射を安全に実施できるために必要な知識と技術を修得する |
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回 |
内容 |
担当者など |
場所 |
対象者 |
【レベル1】 |
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第1回 | 講義:安全な静脈注射のための解剖生理 | 教育担当師長 | 大講堂 | 新採用者 看護師 |
講義:採血・筋肉注射・皮下注射(e-ラーニング) | 教育担当師長 | |||
演示:翼状針の安全機能の使い方・注射針のキャップの外し方 | 教育担当師長 | |||
小テスト | 教育担当師長 | |||
第2回 | 講義:薬剤使用時の確認方法 | 医療安全管理係長 | 大講堂 | 新採用者 看護師 |
講義:注射針の取り扱い | 感染管理認定看護師 | |||
演習:採血・筋肉注射・皮下注射 | エルダー部会看護師長・副看護師長・エルダー部会担当者、教育担当看護師長 | |||
【レベル2】 |
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第3回 | 講義:輸液ポンプ・シリンジポンプの取り扱い | 講義:テルモ、臨床工学技士 | 大講堂 | 新採用者 看護師 |
演習:ミキシング・プライミング 輸液ポンプ・シリンジポンプの取り扱い 三方活栓・シュアプラグの使い方 |
エルダー部会看護師長・副看護師長・エルダー部会担当者、教育担当看護師長 | |||
【演習の流れ】ミキシング・プライミング⇒輸液ポンプ⇒三方活栓⇒側管より薬液注入⇒三方活栓⇒シリンジポンプ | ||||
第4回 | 講義:ポート・PICCの管理・CVの管理 | 講義:メディコン、東レ | 大講堂 | 新採用者 看護師 |
演習:PICC挿入患者の看護(スタットロックの交換) | エルダー部会看護師長・副看護師長・エルダー部会担当者、教育担当看護師長 | |||
カテーテル管理 | ||||
演習:イントロカン挿入、ヘパリンロック、テープ固定、ルート管理 | ||||
演習:ポート針挿入、生食ロック、テープ固定、ルート管理 | ||||
第5回 | 講義:高カロリー輸液と看護 | 副看護師長 | 大講堂 | 新採用者 看護師 |
講義:抗生物質の取り扱い、血流感染について | 感染症内科医長 藤田医師 | |||
講義:血液製剤について | 臨床検査科 臨床検査技師長 | |||
講義:ハイリスク薬剤の種類と使用時の注意点 | 薬剤科 薬剤師 | |||
講義:インシュリン治療と看護(事例・指示の読み方) | 副看護師長 | |||
小テスト・答え合わせ | エルダー部会看護師長・教育担当看護師長 | |||
【レベル3】 |
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第7回 | 講義:抗悪性腫瘍薬とその特徴 | 薬剤科 薬剤師 | 大講堂 | 新採用者 看護師 |
講義:がん化学療法の目的とその適応 | がん化学療法看護認定看護師 | |||
抗がん剤の取り扱い | がん化学療法看護認定看護師 | |||
化学療法におけるステロイド療法と看護 | がん化学療法看護認定看護師 | |||
講義:麻薬・向精神薬使用時の注意点 | 薬剤科 薬剤師 | |||
講義:麻薬系鎮痛薬の投与と管理 | 緩和ケア科医長 松山医師 | |||
小テスト・答え合わせ | エルダー部会看護師長・教育担当看護師長 | |||
【レベル判定】 |
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第6回 | ミキシング・プライミング | エルダー部会看護師長・副看護師長・エルダー部会担当者、教育担当看護師長 | 大講堂 | 新採用者 看護師 |
輸液ポンプの操作と管理 | ||||
イントロカン挿入と管理 | ||||
第8回 | 麻薬の取り扱い・PICCの管理・シリンジポンプの操作と管理 | エルダー部会看護師長・副看護師長・エルダー部会担当者、教育担当看護師長 | 大講堂 | 新採用者 看護師 |
ポート針の刺入・抜針と管理 | ||||
参考:ナーシングスキル、院内WEB |