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消化器内科で行っているがんの治療 [診療内容]

1.内視鏡切除

我が国においては食道・胃・大腸などの消化管粘膜にとどまる早期病変に対する内視鏡切除が広く普及しています。この治療法は、低侵襲性、機能温存、術後のQOL(生活の質)の観点から優れた治療法であることは言うまでもありません。これが確立する以前は、早期がんであっても外科手術が行われていました。しかし、リンパ節転移がない早期がんは内視鏡切除による局所の切除で根治が期待できるので、技術的問題を除けば外科切除は必要ありません。

病変の大きさや部位、形態によって以下の方法から選択して治療を行います。

  1. ポリペトミー:茎のある病変に対し、多くは1泊入院で行っています。
  2. 内視鏡的粘膜切除術(EMR):主に大腸の比較的小さく扁平な病変を対象として、多くは1泊入院で行っています。
  3. 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD): 病変を確実に一括で切除する方法で、初めに胃の早期がんに対するESD、次に食道表在がんに対するESDが保険適応になりました。大腸腫瘍に対するESDは、合併症の危険性や技術的困難性から、2011年4月より当院では『高度先進医療』として認可されていましたが、2012年4月より保険適用になりました。

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2.その他の内視鏡治療

  • 進行したがんによる消化管閉塞に対するステント留置
  • 胆管がんや膵がんに対する胆管ドレナージ
  • 胃ろう造設
  • 胆管結石治療
  • 食道静脈瘤に対する治療
  • 放射線による消化管障害に対するアルゴンプラズマ凝固法

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3.切除不能がんに対する化学療法

  • 食道がん:抗がん剤と放射線治療を併用する化学放射線療法により、手術をせずに臓器を温存しつつ手術と同等の治癒率が得られるという報告も出てきています。当科では臨床試験を含め、化学放射線療法を積極的に行っています。
  • 胃・大腸がん:最新の標準治療を確実に実施していますが、さらに優れた標準治療確立のため、札幌医大・北海道大学などの道内主要施設と共同で臨床試験を行っています。新規治療法開発のための治験にも多数取り組んでおります。
  • 胆管・胆嚢がん:胆管炎のコントロールなど全身状態の管理を行いながら、最新の標準化学療法を行っています。
  • 膵臓がん:ジェムザールやTS-1による標準化学療法の他、札幌医大などと共同で放射線治療を併用した新規治療法の臨床試験も行っており、膵がんの治療成績向上に努力しています。
  • 肝臓がん:肝がんの主な原因であるB型およびC型慢性肝炎の治療には抗ウイルス薬を用い、ウイルスを体内から排除して完全治癒を目指す原因治療を積極的に行っています。肝臓がんは早期の場合には肝動脈塞栓術・ラジオ波焼灼術・エタノール注入療法など、進行例では肝動注化学療法・分子標的薬投与などを行い、肝機能とがんの広がりに合わせて適切な治療を選択し行っております。

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