我が国においては食道・胃・大腸などの消化管粘膜にとどまる早期病変に対する内視鏡切除が広く普及しています。この治療法は、低侵襲性、機能温存、術後のQOL(生活の質)の観点から優れた治療法であることは言うまでもありません。これが確立する以前は、早期がんであっても外科手術が行われていました。しかし、リンパ節転移がない早期がんは内視鏡切除による局所の切除で根治が期待できるので、技術的問題を除けば外科切除は必要ありません。
病変の大きさや部位、形態によって以下の方法から選択して治療を行います。
- ポリペトミー:茎のある病変に対し、多くは1泊入院で行っています。
- 内視鏡的粘膜切除術(EMR):主に大腸の比較的小さく扁平な病変を対象として、多くは1泊入院で行っています。
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD): 病変を確実に一括で切除する方法で、初めに胃の早期がんに対するESD、次に食道表在がんに対するESDが保険適応になりました。大腸腫瘍に対するESDは、合併症の危険性や技術的困難性から、2011年4月より当院では『高度先進医療』として認可されていましたが、2012年4月より保険適用になりました。
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