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新しい大腸検査法:カプセル内視鏡のご紹介 [診療内容]

大腸カプセル内視鏡の登場

すでに導入済みの小腸用カプセル内視鏡に続いて平成25年12月 当院に導入されました。平成26年1月1日から保険診療ができるようになったことで、道内でも導入する施設が増えてきました。

口から飲み込み、大腸の中を進みながら自動的に写真を撮影する、31.5X11.6mmと小腸用よりやや大きいカプセル型内視鏡です。使い捨てタイプで1日程度で肛門から自然に排泄されます。

日本では大腸癌は男女とも増加しており、特に女性の死亡者数第一位です。40歳以上の方は便潜血による大腸がん検診の対象ですが、受診率27%程度で、北海道はさらに低率です。便潜血検査で陽性となれば、精密検査として大腸内視鏡(ファイバースコープ)が必要ですが、約半数の58%しか検査していないのが現状です。これは、大腸内視鏡検査は苦しくて痛いという先入観や過去の経験、あるいは羞恥心から検査をさけていることも一因と考えられます。

そこで、大腸カプセル内視鏡は痛みがなく、体の負担が軽く、恥ずかしさもないことから、大腸癌の早期発見につながる契機になることが期待されています。

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大腸カプセル内視鏡の対象

大腸に疾患が疑われる場合で、腹部の癒着などで大腸内視鏡ができなかった、またはできないと予想される患者さんが対象。

検査の実際

前日から検査食を摂っていただき、寝る前に錠剤の下剤を服用します。検査当日朝5時から腸管洗浄剤 1-2 Lを服用します。来院して大腸カプセル内視鏡が撮影した画像を受信するセンサー(アンテナ)をお腹に、受信した画像を保存するデータレコーダ を腰に装着した後、9時に大腸カプセル内視鏡を少量の水で飲み込みます。その後はカプセルの位置に応じて自動的にブザーが鳴るので、カプセルを大腸まで押し流すために腸管洗浄剤900mLを2回追加します。さらに追加の処置が必要になる場合もあります。夕方5時から6時にセンサー、レコーダを外して終了です。医師が画像を解析し、後日結果を説明します。

カプセルが食道や胃に長時間留まる場合は蠕動を促す薬を注射したり、胃カメラで小腸に誘導することがあります。

大腸カプセル内視鏡:画像診断システム
カプセル内視鏡:画像診断システム

大腸カプセル内視鏡の限界

生検(組織採取)やポリープの切除などの処置はできませんので、病変があればあらためて、大腸内視鏡検査が必要です。したがって、出血、下痢、便秘が続くなど症状が強い方は初めから大腸内視鏡検査を行います。また、大腸内視鏡と違って食物残渣や便などを吸引/洗浄できませんので、前処置(腸管の洗浄)をより確実に行う必要があり、大腸内視鏡よりもむしろたいへんです。

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