放射線治療 [検査のご案内]

放射線治療について

放射線治療とは、リニアックと呼ばれる装置で体の外側から放射線を照射して、がん等の病気の治療をしたり痛みを緩和します。

X(エックス)線撮影に使用する放射線の数十倍のエネルギーの放射線を使用します。

当院では症例に合わせて3種類のX(エックス)線と、5種類の電子線を使い分けて照射を行っています。

放射線治療では照射中に痛みを感じることはありませんので、ご安心ください。

当院の放射線治療の流れを簡単にご説明します。

  1. 放射線治療専用のCTや透視装置(シミュレータ)を使用して照射する場所を決めるための撮影をします。
    この時に、照射時に頭や体が動かないようにするための固定具を作成する場合もあります。
  2. 医師により、放射線の当て方を決めます。
    症例や場所に応じて放射線の方向・本数・エネルギーなどを変えます。
  3. 照射室(リニアック室)で放射線を照射する場所(あるいはその周り)に、特殊なインクを使用して印や線を描きます。
    また、この際リニアック装置を使用してX線写真を撮影し、照射位置の確認を行います。
  4. 症例により1日1回、週4回または5回照射します。回数は数回から30回ほどです。
    初回照射時や照射方法の変更時は30〜60分、それ以外の通常の照射は10分ほどで終了します。

さらに、特殊な放射線治療として当院では以下のような治療を行っています。

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定位放射線治療について

小さな病巣に対して3次元的に大量の放射線を集中して照射し、短期間で治療する方法です。

これにより、周囲の正常組織に対する被ばくを極力抑えながら、病変の部分にのみ高線量の照射が可能となります。

当院では、主に原発性の肺がんや転移性の脳腫瘍などに対して定位放射線治療を行っております。

精密な照射を行うために、最初に必ず固定具を作成します。

照射は1日1回で、1日あたりの照射は30分程度で終了します。

通常の照射では多いと30回程度の照射なのに対し、照射回数は肺がんで6回程度、脳腫瘍は4回程度となっています。

☆呼吸同期放射線治療

肺や肝臓など呼吸により移動する臓器に対して治療を行うとき、呼吸の波形に合わせて照射することで従来より照射範囲を狭くすることができます。その結果、正常組織の放射線量を抑えることができます。

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強度変調放射線治療(IMRT)について

病巣の周りにある正常な組織への放射線の影響を少なくし、病巣へ放射線を集中させて治療を行う方法です。

従来の照射法では照射範囲内は一様に放射線がかかり、病巣とその周りの正常組織はともに同じ量の放射線を受ける治療でした。

しかし、この治療法では多分割絞りという絞りを使い、照射中に絞りの形状を変化させて、意図的に放射線のかかり方に偏りを作り出します。

さらに複数の方向から放射線を当てることにより、からだの中で放射線を病巣に集中するように偏りを調節することができます。

この照射も精密な照射を行うために、最初に必ず固定具を作成します。

また、毎回の照射前に照射の位置を確認するために画像誘導放射線治療(IGRT)による確認を行います。

照射は1日1回で、30回程度行います。

当院では前立腺がん、頭頸部のがん、脳腫瘍、骨軟部腫瘍、婦人科のがんなどに対して照射を行っています。

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