安達 大史
- 職種・役職
- 病棟診療部長
- 専門分野
- 呼吸器外科、臨床腫瘍学、胸腔鏡手術、単孔式胸腔鏡手術、ロボット手術
- 略歴・資格・所属学会 その他
-
- 日本外科学会 専門医
- 日本呼吸器外科学会 専門医
- 日本内視鏡外科学会/日本肺癌学会
- 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
- 肺がんCT検診認定医
- 日本呼吸器外科学会 胸腔鏡安全技術認定 取得
- 日本呼吸器外科学会 ロボット支援手術プロクター
- 日本内視鏡外科学会 技術認定医
- 緩和ケア研修受講済

当科では全国に先駆けて、1992年に胸腔鏡手術を導入して安心安全な手術法を開発してきました。胸の中では開胸手術と同等の内容の手術を行いながら小さな創から手術を行うことで、侵襲の小さな体に優しい手術を行っています。
これまでは、3つの創から行う胸腔鏡手術を行なっていましたが、2017年からは安全・確実な手術を保ちながら、より一層低侵襲な手術を目指して、創を1つとした単孔式胸腔鏡手術を開始致しました。また、2018年からは精緻な動きが可能なロボット手術も行なっております。今後も安全・確実・低侵襲な手術を提供してまいります。
呼吸器外科だけでは、最良のがん治療は実現できません。がんの治療を安全かつ確実に行うためには、多職種による連携とチーム医療が不可欠です。手術前からの様々な職種による支援と連携で安全で高度な手術が成り立っております。


当院の手術件数は、新型コロナ流行によりやや減少しましたが、徐々に増加傾向にあり、全国でも有数の多くの肺癌の手術を行なっている病院となっています。その中でも、約9割以上の症例を低侵襲手術で行なっており、現在では原則、当科の特徴である単孔式胸腔鏡手術やロボット手術で行なっています。
当科では長年の多数の手術実績とともに、安心・安全・確実な手術を第一としています。手術死亡率:2017年から2022年の術後30日以内の死亡率は0.1%で、併存症を多数抱える患者さんが多い中でも安全な手術を行なっています。
手術の際の輸血率:肺の癒着などで難易度の高い手術や抗血栓薬(血液をさらさらにする薬)を使用している患者さんも多いのですが、2017年から2022年の輸血率は0.4%と安全な手術を行なっています。
従来は3つの小さな創で手術を行ってまいりましたが、2017年より1つの小さな創だけの手術(単孔式胸腔鏡手術: Uniportal VATS)を開始し、現在ではほとんどの手術をこの方法 で行っています。術後の痛みが少なく、美容的にも創も1つなのでより目立ちませんが、これまで通りの安全で確実な手術に配慮しています。
肺がんは、肺にある細胞ががん化して増殖する病気です。喫煙は最大の危険因子ですが、
非喫煙者にも発生することがあります。早期では症状が少ないことが多く、検診や偶然の画像検査で見つかる場合もあります。
2. 主な症状
- 長く続く咳
- 血痰(血の混じった痰)
- 息切れ
- 胸の痛み
- 原因不明の体重減少・倦怠感
ただし、早期肺がんは無症状のことが多いため、がん検診や低線量CT検診が重要です。
3. 診断の流れ
画像検査(胸部X線、胸部CT、脳MRI、PET-CTなど)
生検(気管支鏡検査や針生検)での組織診断と遺伝子変異・PD-L1 の評価
生検が難しい場合には 手術で診断と治療を兼ねることもあります
エコーや肺機能の確認
これらを総合して、最適な治療法を決定します。根治切除が可能な場合には手術が選択されます。
4. 治療方法
肺がんの治療は、病期(ステージ)や患者さんの状態によって異なります。当院では呼吸器内科、呼吸器外科、放射線治療科、緩和ケアなど、多職種のチームで最良の治療を行っています。
■ 手術療法
早期の肺がんは手術が第一選択です。当院では単孔式胸腔鏡手術(Uniportal VATS)を中心に、体への負担を小さくする低侵襲手術を積極的に行っています。
■ 放射線治療
体力的に手術が難しい場合や、手術が適応にならない場合に行います。
■ 薬物療法
がんの性質に応じた治療を行います。
- 分子標的薬:遺伝子変異に応じた治療
- 免疫療法(PD-1/PD-L1阻害薬)
- 抗がん剤治療
近年は、ドライバー遺伝子変異に基づく個別化治療が大きく進歩しています。
5. 予後とフォローアップ
肺がんは早期発見・早期治療が何より重要です。手術後も
- 定期通院
- CTなどの画像検査による再発チェック
- 生活習慣の見直し・改善
を継続し、長期的にサポートします。
6. 当院の特徴
- 豊富な肺がん手術実績
- Uniportal VATS を中心とした低侵襲手術技術
- 放射線治療・薬物療法を含めた包括的な肺がん診療体制
- 各分野の専門家による 多職種チーム医療
- セカンドオピニオンにも対応
縦隔腫瘍に対する胸腔鏡下手術は、1992年Landreneauらによって初めて報告され、当科でも1992年以来、積極的に胸腔鏡下手術を行い、多くの縦隔疾患に対する手術を行ってきました。当初行っていた吊り上げ式の胸腔鏡下縦隔腫瘍手術は1996年11月の第15回world congress of the international college of surgeonsで発表し、高く評価されました。
現在では、CO2を送気して視野を確保し、原則、低侵襲な単孔式胸腔鏡手術やロボット手術で行っています。大きな腫瘍や血管などにくっついている腫瘍などは安全性・根治性を保つために開胸手術を行っています。
【悪性胸膜中皮腫について】
•石綿(アスベスト)の曝露よるものが多く、7-8割の患者さんに曝露歴があるとされてります。 |
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•中皮細胞から発生する腫瘍ですので、胸膜や腹膜や心膜から発生する可能性がありますが、8割が胸膜から発生しています。 |
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•日本では、2006年に石綿の製品の製造は禁止されておりますが、曝露から発症までの期間は15年から40年と長期間であり、今後も増加していく可能性があります。悪性胸膜中皮腫は珍しい病気ではありますが、中皮腫全体の死亡数は日本全体で1605人、北海道で101人(2020年)となっています。 |
【症状について】
•咳・胸痛・呼吸困難が出ることがありますが、特徴的なものではなく、症状での発見は難しいとされています。
•症状が無くとも健康診断での胸部X線写真で胸水貯留により見つかることがあります。 胸膜腫瘤や胸膜肥厚で見つかることもあります。
【検査について】
•胸に針を刺して胸水を採取します。
•胸水の検査で悪性が考えられ、悪性胸膜中皮腫が疑われれば、胸膜針生検や胸腔鏡手術での胸膜生検を行って診断を行います。
•胸水のみの検査で確定診断は難しいです。
•CTやPET検査を行い、リンパ節転移や遠隔転移が無いかを調べます。
【組織型について】
•上皮型と肉腫型と二相型の3つに分類されます。
•上皮型が他の2つの組織型よりも予後が良いとされています。
【治療について】
•手術と薬物療法と放射線治療を組み合わせた集学的治療を行います。
【予後について】
•非常に予後が悪い病気です。
•無治療であれば、発症から半年から1年半で亡くなります。
•近年の薬物療法の進歩もあり、長期生存が得られる可能性があります。
•若年、女性、CTで腫瘍がはっきりしない、上皮型、リンパ節転移がない場合などは長期予後を得られる可能性があります。
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