療法について

リハビリテーション室の概要

当院のリハビリテーション室は最上階の8階にあり、見晴らしが良く、明るく開放的な空間となっています。理学療法(PT)、作業療法(OT)、言語聴覚療法(ST)の3部門で構成されており、医師の指示のもと、患者さん一人ひとりの状態やニーズに応じた訓練プログラムを立案し実施しています。退院に向け、必要に応じて、家屋評価や住環境整備の提案、福祉用具の選定なども行います。

運動療法スペース

運動療法スペース

リハビリ室の窓から見た景色

リハビリ室の窓から見た景色

作業療法スペース

作業療法スペース

言語聴覚室

言語聴覚室

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理学療法

理学療法の内容

  • 運動機能の低下や運動障害が生じた方に対して、理学療法によるリハビリテーションが実施されます。理学療法は運動機能の改善や維持を目的に介入します。

周術期

  • 術後の肺炎予防として呼吸訓練や排痰訓練を行います。
  • 手術翌日から合併症と体力低下を予防するため、体を起こす練習や歩行練習を行います。

手術翌日からの離床訓練


手術後の身体機能障害(関節可動域や筋力の低下)

  • 悪性腫瘍の手術では切除範囲が大きくなる場合があり、術後に身体機能障害を呈することがあります。
  • 手術創、筋肉の切除、神経の麻痺等機能障害の要因に合わせて、関節可動域訓練、筋力トレーニングを行います。
  • 必要に応じて装具療法や杖などの介助物の選定、自宅での生活を想定した生活動作指導を行います。

骨転移を伴う場合

  • 骨転移部の疼痛や病的骨折を予防することは生活の質を維持、向上させるために重要となります。
  • 骨転移の状態に合わせて患部に負担のかからない生活動作指導を行います。
  • 免荷歩行練習や車椅子自走練習を行い、生活での活動性の維持を目指します。

化学/放射線治療、造血幹細胞移植

  • 長期入院や無菌室での生活による活動量の低下を、可能な限り防げるよう運動療法を行います。
  • 体調や栄養状態に合わせて有酸素運動(自転車エルゴメーターや歩行)、筋力トレーニング、ストレッチを行います。
  • 原発性脳腫瘍や転移性脳腫瘍による運動機能障害や活動性の低下を防ぎます。

病室内でのエルゴメーター訓練

病室内でのエルゴメーター訓練

病室内でのエルゴメーター訓練

転倒防止用パンフレット

緩和ケア主体の時期

  • 身体的、精神的、社会的苦痛を抱えた患者さんに対して、生活の質の維持や精神的支援を図れるよう介入します。
  • 日常生活や療養生活の質向上を目的に、体力維持のための運動や生活動作指導、環境調整を行います。
  • より楽で主体的な動作練習や、呼吸法も交えた息の上がりにくい生活動作の練習を行います。
  • 車椅子や歩行器等の歩行補助具の選定や、呼吸困難や疼痛に合わせた姿勢の調整をご本人や看護師と相談しながら行います。

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作業療法

作業療法の内容

  • 患者さんが望む生活の実現に向け、多職種と連携し、生活行為の向上を支援します。
  • 作業療法では、身体機能面への介入のみならず、精神心理面や生活環境面の支援も行います。

身体機能面/周術期

  • 上肢を中心に、生活に必要な身体機能の改善を図りながら、円滑な動きの獲得を目指します。
  • 周術期の対象は、主に乳腺外科や骨軟部腫瘍科の患者さんです。

日常生活面

  • 食事・整容・更衣・排せつ・入浴といったセルフケアや、家事、趣味などが安全に効率よく行えるよう、実際の生活場面を想定しながらの訓練や、福祉用具や自助具での代償方法や環境整備を提案・指導します。
  • 復学や復職など社会復帰のために必要な活動の支援も行います。

家事動作訓練の例:写真は皿洗いの練習風景

家事動作訓練の例:写真は皿洗いの練習風景

セルフケア訓練の例:写真はトイレでの排せつ練習。

セルフケア訓練の例:写真はトイレでの排せつ練習。

自助具の例:手が不自由な方でも使用できるユニバーサルデザインの包丁(左)やハサミ(右)。
自助具の例:手が不自由な方でも使用できるユニバーサルデザインの包丁(左)やハサミ(右)。

自助具の例:手が不自由な方でも使用できるユニバーサルデザインの包丁(左)やハサミ(右)。


高次脳機能面

  • 脳の病気によって起こる高次脳機能障害(見当識の低下、記憶障害、注意障害、遂行機能障害など)を評価し、生活での困り事が少しでも軽減できるよう、症状改善のための訓練や代償方法の提案・指導を行います。

緩和ケア主体の時期に

  • 可能な限り主体的な生活が送られるよう、生活の中で“したい”作業ができるよう、精神心理面をサポートしながら、気分転換や楽しみを感じられる活動、生活環境の調整、動作方法の検討など行います。

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言語聴覚療法

言語聴覚療法の内容

  • 失語症や構音障害などのコミュニケーション障害をお持ちの方に対し、生活の質の向上を支援します。
  • 医科、歯科、栄養管理室などと連携し、嚥下障害と栄養障害の改善を目指します。

周術期

頭頸部がん

  • 頭頸部がんやその治療により、音声障害・構音障害・摂食嚥下障害を生じることがあります。
  • 手術後には高確率でそれらの障害を生じます。極力手術前から介入して不安を軽減し手術後のリハビリテーションがスムーズに進むようにしています。また歯科による義歯や舌接触補助床の作成のお手伝いもしています。

電気式人工喉頭

電気式人工喉頭

頭頸部がん放射線治療用パンフレット

頭頸部がん放射線治療用パンフレット


肺がん/食道がん/胃がん

  • 呼吸障害、反回神経麻痺、通過障害による嚥下障害を生じる可能性があるため、手術前後で評価し、誤嚥性肺炎の予防を図っています。

脳腫瘍による高次脳機能障害

  • 脳に腫瘍ができることで注意障害、記憶障害、失語症などの高次脳機能障害が起こります。また、舌や顔面の麻痺が起こると構音障害や摂食嚥下障害を生じることがあります。
  • 適切な評価をもとに訓練やご本人・ご家族・院内のスタッフに対する指導を行っています。

失語症訓練アプリ

失語症訓練アプリ

PCを使用した高次脳機能訓練

PCを使用した高次脳機能訓練


化学/放射線治療

  • 頭頸部がんの放射線治療や化学療法を行う場合には、廃用症候群の予防を図るとともに、歯科・栄養管理室などと連携して経口摂取量を維持できるよう働きかけています。

脳血管疾患や神経変性疾患の既往/廃用症候群/サルコペニア

  • 高齢化に伴い様々な既往をお持ちの患者様が増えています。入院中の廃用症候群の進行や誤嚥性肺炎を予防するため、評価訓練を行っています。

緩和ケア主体の時期

  • 緩和ケア主体の時期になっても「食べる」ことは生活の質に重要です。安全・安心・安楽に経口摂取を継続できるように、食べ方の指導などを行っています。

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