呼吸器外科

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「悪性胸膜中皮腫の前方視的データベース研究」(観察研究)への参加のお願い

【はじめに】

 悪性胸膜中皮腫は胸膜に原発する比較的稀な悪性腫瘍で、その発生には石綿(アスベスト)の曝露が大きく関与しています。我が国のアスベスト消費増加に伴い、悪性胸膜中皮腫による年間患者死亡数は1995 年の500人から,2012年には1400人と著明に増加しています。悪性胸膜中皮腫は石綿曝露からの潜伏期間が30-40年と言われており、我が国では2020年から2030年代がピークとなると予測されています。一方、悪性胸膜中皮腫は低頻度の疾患であること、最近まで有効な治療法が存在しなかったこと、予後が極めて不良であることなどから臨床情報に乏しく、全国的な多施設共同研究が必要と考えられます。

【研究の内容】

 2017年4月1日から2019年4月30日に細胞診または組織診にて悪性胸膜中皮腫と診断された20歳以上の患者さんを、全国規模のデータベースに登録します。

【患者さんの個人情報の管理について】

 研究成果が学術目的のために論文や学会等に公表されることがありますが、その場合もあなたの個人情報の秘密は厳守され、第三者にはわからないように十分配慮して慎重に取り扱います。データの公表についてもあなたの同意が必要ですが、同意書にあなたが署名をすることによって、あなたの同意が得られたことになります。尚、集められた医療情報は主な研究成果を報告してから少なくとも10年間が経過するまで研究事務局内の施錠可能な保管庫にて保管いたします。

【研究期間】

 2017年4月1日から2019年4月30日までであり、観察期間は治療後5年を予定しています。したがって、解析期間を含めてこの研究は2026年3月末日まで行われます。

【医学上の貢献】

 本研究の目的は、本邦で診断されたすべての悪性胸膜中皮腫症例を前向きに登録してデータベースを構築し、治療成績を検証し、標準治療の確立のための基礎データを構築することです。さらに、構築されたデータベースをもとに臨床研究を行い国内外に情報発信するとともに、国際的な前向きデータベースにも参加する予定です。また、現在、国際中皮腫研究会は前方視的データベース事業を開始し、国際共同研究が提案されています。本研究のもう一つの目的は、本邦での独自の研究に加えて国際共同研究にも参加し、国際的な標準治療の確立に向けて共同研究を行うことです。

【研究事務局・責任者】

奥村明之進 大阪大学 呼吸器外科
連絡先:〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-2  
TEL: 06-6879-3152