「肺切除後のドレーン排液量に関する研究」への参加のお願い
【はじめに】
肺切除の術後は全例で胸腔ドレーンが留置されますが、ドレーン留置による痛みと体動拡大制限により、ドレーン留置期間の延長は肺炎や血栓症などの術後合併症リスク因子となり、ひいては入院期間の延長や入院コストの増大にも大きく関わってきます。胸腔ドレーン早期抜去のためには、エアリークの有無とドレーン排液量という2つの要因が大きく関係しておりますが、排液量についての抜去基準は各施設において様々です。今回ドレーン抜去基準である排液量の上限を緩和することを目的とした研究を開始致します。
【研究の内容】
2017年10月から当科で施行する肺切除手術症例を対象に、エアリークや乳糜胸がなく、12時間の排液量が250mL以下であればドレーン抜去することとし、抜去後に胸水穿刺やドレーン再挿入を要した割合、ドレーン留置期間、術後合併症の発生率、術後疼痛の程度などを前向きに検討します。安全性と有効性は当科の過去症例や他施設の研究結果と比較します。
研究の目的で新たに検査をしたり薬を飲んでもらったりすることはありません。低い確率と考えられますが、胸水が貯まる可能性があり、穿刺やドレナージをすることがあります。
【患者さんの個人情報の管理について】
本研究にて得られたデータ及び結果は、専門の学会や学術雑誌に発表しますが、その際は患者さんが特定される情報が公表されることはなく、プライバシーは適切に保護します。
また、この研究で得られたあなたの検査結果、カルテ情報等のデータは、将来計画・実施される別の医学研究にとっても大変貴重なものとなる可能性があります。したがって、将来新たに計画・実施される医学研究に利用することをご了承いただければ幸いです。
【研究期間】
2017年10月から2018年3月までの予定です。
【医学上の貢献】
本研究によって、ドレーン留置期間が減少し、患者さんの負担と医療コストが減ることが期待されます。
【研究機関】
北海道がんセンター 呼吸器外科
連絡先:〒003-0804札幌市白石区菊水4条2丁目
TEL:011-811-9111、FAX:011-832-0652
【研究事務局・代表者】
上田宣仁 北海道がんセンター 呼吸器外科
連絡先:〒003-0804札幌市白石区菊水4条2丁目
TEL:011-811-9111、FAX:011-832-0652