生化学検査室では、採血により得られた血液を化学的・免疫学的に分析し、疾病の診断や治療に役立てています。
主な検査内容としては、蛋白成分、電解質、糖質、脂質、腎機能、肝機能、膵機能、甲状腺機能の他、がん専門病院としての性格上、各種腫瘍マーカーの検査も行っています。
また、感染症検査(梅毒検査、HBウイルス関連、HCV抗体、HIV抗原・抗体、HTLV-1など)やHPV遺伝子検査など幅広い検査を行っています。
臨床化学自動分析装置 TBA-FX8
生化学・免疫自動分析装置
Cobas 8000 e 801
グルコース分析装置 GA09Ⅱ(右)
HbA1c分析装置 HLC-723G11(左)
1. 血球計数
多項目自動血球分析装置を用いて赤血球、白血球、血小板、網状赤血球、白血球5分類を迅速検査にて測定しています。
2. 血液像
自動的に血液塗抹標本を作製・染色し、目視鏡検により血液像(白血球分類・赤血球形態・血小板形態)を検査しています。
3. 凝固線溶検査
全自動血液凝固測定装置を用いて凝固検査(PT、APTT、フィブリノーゲン、ATⅢ)や線溶検査(FDP、Dダイマー)を測定しています。
多項目自動血球分析装置 XN-3100
全自動血液凝固測定装置 CS-5100
一般検査室では主に尿、便、髄液、穿刺液の検体を検査しています。
便中に血が混じっていないかを調べる検査です。
消化管での出血、特に大腸がんのスクリーニングに有用です。
髄液中の細胞の数や種類、生化学的検査などを行っています。
髄膜炎、脳出血、腫瘍の浸潤などの診断に役立てられます。
体腔液(胸水、腹水、心嚢液など)中の細胞の数や種類、生化学的検査などを行っています。
尿化学自動分析装置 CLINITEK Novus
安全な輸血治療のために、以下のような業務をおこなっています。
病理組織検査とは?
患者さんが病院に来院されると、適切な治療のために適切な診断が必要になります。患者さんの体より採取された病変の組織から顕微鏡用のガラス標本がつくられます。この標本を顕微鏡で観察して診断するのが病理組織検査です。
「病理組織検査」は最終診断として大きな役割を果たします。
免疫組織染色装置
病理組織検査室
細胞診検査とは?
肺がんや膀胱がんでは、痰や尿のなかにがん細胞が混じることがあります。痰や尿を顕微鏡で調べて癌細胞がいるかどうかを判断するのが細胞診検査です。子宮がん検診では、子宮頸部から細胞をこすりとって調べます。のどや乳房などにしこりがあると、細い針を刺して吸引し、とれた細胞のなかに癌細胞がいるかどうかを調べる方法もあります。
病理組織検査室
ヒトに感染症を引き起こす細菌や真菌を検出するために,塗抹検査,培養検査,抗原検出検査,結核遺伝子検査を実施しています。インフルエンザ、ノロウイルスなどのウイルスについては抗原検出検査を実施しています。
微生物検査室には,感染部位(臓器)から採取された検体が届きます。細菌性肺炎や肺結核が疑われた場合には痰,急性膀 胱炎や腎盂腎炎が疑われた場合には尿,O157などが原因の細菌性腸炎やウイルス性腸炎が疑われた場合には便,その他に,血液,髄液,胸水,腹水,関節液,膿,咽頭粘液,耳漏,角膜擦過物,膣分泌物, 組織,爪など,さまざまな検体が検査対象となります。
微生物検査は時間がかかります・・・微生物検査は、血液検査のように分析器にかけて結果を出すものとは違い結果が出るまで 最小3日〜最大8週間かかることもあります
以上の理由により 時間がかかります。
塗抹の「塗」とはぬる,「抹」はなでこするという意味です。塗抹検査とは検体をスライドガラスに薄く塗り広げ,自然乾燥後,メタノールで固定し,染色を行います。普通の染色はグラム染色法で行い、顕微鏡で判定します。
検体を寒天培地に塗り広げ、一晩培養します。 翌日〜2日後には細菌が増殖し、コロニー(菌の集まり)を形成します。 赤い寒天培地上にある小さな白色の丸いものがコロニー(増殖した菌の集まり)です。 1つのコロニーは何万個もの細菌が集まってできています。
菌が発育すると,培地表面に菌の塊である集落ができます。この集落を使って同定検査を行います。 感染症の原因菌と推定できる細菌が検出された場合,薬剤感受性試験を実施します。治療のために有効な抗菌薬を調べる検査です。 当検査室は同定感受性分析装置を導入しています。
近年,多くの病院で薬剤耐性菌の検出が問題になっています。耐性菌の検出や病院内感染の原因となりうる微生物の検出を,最初にキャッチできるのは微生物検査室です。私たちは,その情報を担当医と感染予防対策室に迅速かつ正確に伝える役割を担っています。幸いにも微生物検査室と感染予防対策室、感染症内科医局が隣接しているため 情報伝達を円滑に行うことを目的に、毎朝カンファレンスを行っています。