平成29年3月4日(土)午後、倶知安町 ホテル第一会館において、岩内保健所・倶知安保健所・倶知安厚生病院主催「第3回後志がんフォーラム ~がんになっても安心して暮らせる後志を目指して~」が開催され、講演とシンポジウムが行われました。
第一部では、当院の近藤院長が「患者が望むがん対策」~全国で2番目に高い死亡率を下げるために~というテーマで講演しました。講演では、がんは遺伝子の病気であり、たばこなどに含まれる発がん物質、B・C型肝炎ウイルス、ピロリ菌などの細菌や生活習慣などの外来性の因子、がん体質などの遺伝的因子そしてストレスなどの精神的因子により、細胞分裂時に遺伝子変異を起こす過程でがん化がおこるものであること。わが国のがんの現状として、がんは日本人の3人に1人の死亡原因であり、2人に1人が生涯においてがんと診断され、働き盛り、子育て年齢の死因第一位であること、また家族や親族がかかることも多い「国民病」である、と解説しました。早期発見や治療法の進歩により生存率は向上しましたが、がん経験者は年に60万人増えると予想され、自分や家族ががんにならないために、がんで死なないためにはがん予防と早期発見・適切治療が必須であると力説しました。患者の望むがん対策はいかに進めるか?昨年札幌で開催された北海道がんサミット2016を引き合いにだし、患者さん家族を中心に、行政・議員・医療関係者・マスメディア・援助を頂ける民間企業などが一堂に会し、6位(み)一体でがん対策を動かすことが重要と話を締め括りました。
第二部シンポジウム「住み慣れた地域で療養を続けるために」では、倶知安厚生病院の倉内外科主任部長、総合診療科の木佐主任医長、ようてい訪問看護ステーション岡本所長、居宅介護支援事業所ろっかえんの甲斐ケアマネージャーから「住みなれた地域で療養を続けるために」というテーマでそれぞれの立場から発表があり、130名の参加者のなかで活発な意見交換が行われました。