当院はがん治療を専門とする病院です。ご承知のように、がんの主な治療法には、1.手術、2.放射線治療、3.化学療法などがあります。早期のがんや、特定のがんではそのいづれかが単独で行われることも多いのですが、一般にがんが進行するほど、これらを組み合わせた複雑な治療が必要です。これを集学的治療と呼びます。それぞれの治療法の現況は次の通りです。
がん治療の原則は、がん病巣を完全に取り除くことで、手術はその最も有効な手段といえます。最近の外科手術は色々な点で進歩・深化しています。
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放射線治療は、手術療法・化学療法とともにがん治療に不可欠なものです。日本でも屈指の治療患者数(2015年 1190人)である当院には、4人の治療専門医、4人の医学物理士(博士3人)及び6人の放射線治療専門技師がいます。北海道でもトップクラスの充実したスタッフを誇っております。
体外照射は複数のリニアックを使った最適なエネルギーのX線や電子線を使用し、副作用の少ない治療を行っています。コンピュータ制御で、がん病巣だけに集中照射しながら、周囲の正常組織にほとんど照射されない定位放射線治療(2015年治療人数 脳17人 体幹部28人)やIMRT(強度変調放射線治療)(2015年治療人数 頭頸部29人 前立腺66人 その他27人)を症例に応じて実施しています。IMRTの進化形で短時間の高精度治療が可能な最新の治療法であるVMAT(強度変調回転照射)を積極的に行っています。さらに呼吸同期放射線治療やIGRT(画像誘導放射線治療)の導入で、より高精度の治療が可能となっています。また、症例に応じて低線量率・高線量率小線源治療も行っております。
形態や機能を温存し、QOLを維持できる放射線治療は、根治的治療はもちろん進行がんや再発・転移がんに対しても有効です。
病巣へ放射線を集中させ、病巣の周りにある正常な組織への放射線の影響を最低限に抑え、治療を行います。
小さな病変に3次元的に大量の放射線を集中照射し短期間で治療します。周囲の正常組織への被ばくを極力抑え、病変の部分にのみ高線量の照射が可能です。
IGRT(画像誘導放射線治療)とは、治療寝台上でX線管球を用いてX線撮影とCT撮影を行い病変部へ正確に治療を行う治療技術です。
放射線を出す小さな線源(カプセル)を前立腺内に挿入して埋め込み、前立腺の内部から放射線を照射する治療法です。
麻酔をするので、埋め込む時の痛みは全くありません。翌日以降もほとんど痛みはなく、数日で退院して日常生活に戻れます。
メタス卜ロン注〔一般名:塩化ス卜ロンチウム(89Sr)〕は、がんの骨転移による疼痛の緩和を目的とした治療用の放射性医薬品です。
この薬剤は、ス卜ロンチウム-89という放射線を出す物質(アイソ卜ープ)を含んでおり、骨の成分であるカルシウムと同じように骨に集まりやすく、骨転移部では、正常の骨より長くとどまり、その放射線の効果により痛みがやわらぐと考えられています。
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我が国は今や、2人に1人が「がん」になり、3人に1人が「がん」で亡くなられる時代となりました。(がん)化学療法とは手術と放射線治療に並ぶがん治療3本柱のひとつで、抗がん剤を用いたお薬による治療のことです。化学療法は腫瘍を小さくする、手術後の再発を予防する、さらには手術で切除不能といわれた患者さんの腫瘍を縮小させて切除可能にする、など重要な治療法です。最新の抗がん剤や分子標的治療薬の導入により化学療法はがん治療を大きく変えました。化学療法は切除不能進行がんの患者さんの生存期間を延長させ、また、消化器がん・婦人科がん・頭頸部がんなどいくつかのがんにおいては化学療法、放射線や手術との併用療法でさらに治療効果を向上させました。白血病などの血液腫瘍領域においては通常の化学療法に比較して大量の抗がん剤を使用し、がん細胞を死滅させた後に造血幹細胞移植を行う治療も行われています。
薬剤部では、患者さんに安全に治療を受けていただけるよう、抗がん剤の投与量やスケジュールなどを、厳重にチェックをしています。また、実際に投与される抗がん剤を、専用の清潔な部屋(無菌製剤室)にて調整を行い、複数の薬剤師によるチェック体制を敷いています。
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![]() ![]() 日本では大腸癌は男女とも増加しており、特に女性の死亡者数第一位です。この検査は痛みがなく、体の負担が軽く、恥ずかしさもないことから、大腸癌の早期発見につながる契機になることが期待されています。 |
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