サルコーマ(肉腫)は、体を支える骨や筋肉、脂肪組織、末梢神経血管などに発生する非上皮性の悪性腫瘍(がん)です。肺や胃などの内臓に発生する上皮性のがん(癌腫)に比べると百分の一未満の発生率と言われており、まれにしか発生しないがんという意味で「希少がん」と言われています。
当院の腫瘍整形外科では、以前より、主に四肢(腕や脚)に発生した肉腫を専門に扱ってきましたが、肉腫は四肢だけではなく、後腹膜、縦隔、腹腔内にも発生します。これらの部位に肉腫が発生した患者さんは、発生した部位を担当する診療科、例えば後腹膜腫瘍であれば、泌尿器科や消化器外科で治療されてきましたが、患者さんの人数が少ないために、各々の施設や診療科で経験が蓄積されづらく、治療方法の確立が遅れているのが実情です。
そこで、様々な部位に発生する肉腫の患者さんに、肉腫を専門とする腫瘍整形外科を含め、関係する複数の診療科が診断から治療まで同時に関わるチーム医療を実践とする場としてサルコーマセンターを開設しました。まずは院内の基礎的なシステム作りと、知識と経験の共有から始め、ゆくゆくは道内外の患者さんを広く受け入れたいと思っております。
今度ともみなさまのご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。