平成26年1月1日付けをもち、外来化学療法センター長に命ぜられました。我が国は今や、2人に1人が「がん」になり、3人に1人が「がん」で亡くなられる時代となりました。がんになってしまった場合にはがんと向き合い、がんとうまく付き合う必要があります。
(がん)化学療法とは手術と放射線治療に並ぶ、がん治療3本柱のひとつで、抗がん剤を用いたお薬による治療のことです。化学療法は腫瘍を小さくする、手術後の再発を予防する、さらには手術で切除不能といわれた患者さんの腫瘍を縮小させて切除可能にする、など重要な治療法です。
当院では2003年4月に開設された外来治療センターにおいてから外来化学療法を施行しておりました。このたび2014年1月より、これまで以上に外来化学療法全般に関わっていくために外来化学療法センターとして新たにスタートしました。
外来化学療法は今後ますます増加することが予想されます。外来で化学療法を行うことの最大のメリットは、患者さんが日常生活を送りながら化学療法を受けることによって、生活の質 (QOL:Quality of life) を維持することができることです。具体的には化学療法を外来で受けることで今まで通り仕事も続けることができますし、趣味を楽しむこともできます。休薬中には長期間旅行にも行くことも可能になります。
医療者側にとっては、患者さんの自宅でのがんに関連する症状や副作用の状況を、外来での診察という比較的短時間に正確に把握する必要があります。そのため、抗がん剤治療に精通する医師、看護師、薬剤師などにより患者さんの情報を医療者間で共有化するチーム医療を行っております。「より快適な環境で確実かつ安全な外来がん化学療法を提供する」という信念に基づき、外来化学療法を提供していきたいと考えております。